第12回世界湖沼会議では、さまざまなセッションが行われました。その中でILEC主催で行われた2つのセッションについて紹介します。
ILBMラウンド・テーブル
ILECは11月1日に統合的湖沼流域管理(ILBM)の推進を目的にラウンド・テーブルを主催しました。セッションは、中村正久教授(ILEC科学委員長、滋賀大学環境総合研究センター長)の司会によって進められ、ILBMの推進に向けて世界的規模の協力体制をどのように構築するかを中心にした議論がなされました。多くの参加者からは、ILBMをさらに普及させるためには、計画や評価のツールとしての活用を含め、ILBMの利便性をさらに明確にすること、もっとわかりやすいILBMの普及資料を作成すること、などの必要性が指摘されました。また今後の普及に向けて、持続性のある資金確保のしくみや制度変革手段の開発、国及び地域の政策決定能力の向上、技術の可能性と限界の明確化などILBMのさらなる研究が必要であることが確認されました。さらには、研修教材・モジュールの内容、ILBM自己学習ツールや知識データベースのILECは11月1日に統合的湖沼流域管理(ILBM)の推進を目的にラウンド・テーブルを主催しました。セッションは、中村正久教授(ILEC科学委員長、滋賀大学環境総合研究センター長)の司会によって進められ、ILBMの推進に向けて世界的規模の協力体制をどのように構築するかを中心にした議論がなされました。多くの参加者からは、ILBMをさらに普及させるためには、計画や評価のツールとしての活用を含め、ILBMの利便性をさらに明確にすること、もっとわかりやすいILBMの普及資料を作成すること、などの必要性が指摘されました。また今後の普及に向けて、持続性のある資金確保のしくみや制度変革手段の開発、国及び地域の政策決定能力の向上、技術の可能性と限界の明確化などILBMのさらなる研究が必要であることが確認されました。さらには、研修教材・モジュールの内容、ILBM自己学習ツールや知識データベースの開発(“LAKES”など)についても参加者から多くの意見が寄せられました。
ILBMの普及に関する議論の中では、特にIWRMとILBMを明確に区別してアピールする必要性が挙げられました。湖沼のもつ特徴が、河川やその他の水源のそれとは異なることを明確に訴えていくことが重要であるという意見もありました。また、アフリカにおけるILBMの実施については、良好なガバナンスや能力開発の点で克服すべき点が多いことも見えてきました。最後に、第13回世界湖沼会議(中国・武漢市、2009年11月開催予定)においてILBMセッションを開催することが提案されました。
環境教育セッション
10月29日にはILEC主催の環境教育セッションが開催されました。セッションは、滋賀県立大学の井手慎司教授の司会で進められ、アルテナ・チャッテルジー博士(インド)の基調講演に続いて環境教育活動に従事するインド国内外の個人やグループの発表があり、その後質疑応答や議論が交わされました。博士は基調講演の中で、大人・こどものそれぞれのレベルでの発見や意識啓発は湖沼や湿地の環境保全に向けた第一歩として、重要かつ有効な活動であることを述べられました。
すべての発表事例が自分たちの体験に基づいたもので大変有意義なものでした。日本からはNPO法人びわこ豊穣の郷(滋賀県守山市)の参加があり、丹堂川でのこどもを対象とした環境教育活動について、日下部純子さん、植谷正紀さん、宮城亜由子さんの3名が発表されました。地域が異なるとその背景にある文化や風習も異なることから、参加者から「なぜ、こどもが実際に魚にふれることが大切なのか?実際に触らせることの意味は?」といった質問もあり、3名の発表者はそれぞれの思いを含めながら回答されていました。
このセッションでは、教育や意識啓発が湖沼や湿地の持続的な環境保全のためにいかに大きな力を発揮するものであるか、ということが再認識されました。セッションにはインド政府の環境森林省からも参加があり、NGOや市民の活発な取組みの様子とその活動成果の発表を聞き、民間の活動にも学ぶものが非常に多くあるというコメントを残す方もおられました。セッション終了後にも、会場となった部屋の内外において、個人的に意見交換や質疑応答がなされたり、連絡先を交換したり、談笑するなどの光景がみられ、地域・国・分野を超えた交流ができました。