ILECは、独立行政法人国際協力機構(JICA)からの委託を受け、毎年「水資源の持続可能な利用と保全のための統合的湖沼・河川・沿岸流域管理」に関する課題別研修を実施しています。本年度は、河川・湖沼・沿岸流域管理に携わる4名の研修員が、世界4か国から来日します。研修員は、来日前に3週間のオンライン研修(Stage 1)を受け、現地研修(Stage 2)に備えます。現地研修では、5週間にわたり、ILEC(草津市)の施設で、県内外の大学や企業から招いた講師による講義を受けるとともに、関連施設の視察を行います。
<研修の背景・目的>
河川・湖沼・沿岸流域では、住民生活、産業活動が急速に発展し、水源を含む環境汚染が進んでいます。特に開発途上国の湖沼流域が直面する問題は、水質汚濁、土壌堆積、藻類の異常繁茂など多岐にわたります。これらの問題は複合的な要因により発生しており、明確な流域管理施策のもと、環境保全を図る必要に迫られています。本研修では「組織・体制」、「政策」、「技術」、「参加」、「情報」、「財政」という6つの要素を包括的に捉えた管理手法「統合的湖沼流域管理(ILBM)」をベースに、琵琶湖の水環境保全への住民、行政、企業、大学などの取組、さらに淀川流域を含めた統合的流域管理の取組を紹介し、参加国の水環境問題の解決に貢献することを目的としています。
<参加国・参加人数>
4か国4名
(エルサルバドル、ニカラグア、スリランカ、バングラデシュ)
<研修期間>
Stage1: 2024年11月18日(月)~12月10日(火)
Stage2: 2025年1月13日(月)~2月19日(水)
<主な研修内容>
▶ 統合的湖沼流域管理(ILBM)
▶ 琵琶湖環境保全に係る滋賀県の取組
▶ 水質改善/モニタリング・GIS・環境教育・エコツーリズム・廃棄物管理等
▶ 関係施設視察(琵琶湖環境科学研究センター、琵琶湖博物館、湖南中部浄化センター、株式会社日吉等)
▶ 琵琶湖淀川大阪湾流域視察
▶ 環境学習(うみのこ見学)
<その他>
1989年から今日まで、ILECはJICA研修を含め、世界74か国から577名の研修生を受け入れ、人材育成を実施しています。(2024年11月現在)
<取材について>
本研修については、オンライン・来日ともに取材を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。