
Roberto Urutia
チリ
コンセプシオン大学環境科学部学部長
ロベルト・ウルティア教授は、チリを代表する陸水学者であり、コンセプシオン大学の正教授。環境科学部の学部長を務めるとともに、水系学科を率いている。気候変動、湖沼・河川生態学、堆積学、水質を中心に、南米における淡水生態系研究への幅広い貢献で国際的に高く評価されている。
過去30年にわたり、多数の学際的かつ国際的な高インパクト研究プロジェクトを主導・参加。チリ・パタゴニアにおける湖沼堆積物分析を通じた環境・気候変動の復元から、重金属やナノ粒子など汚染物質の淡水生態系への影響解明まで、その研究は多岐にわたる。欧州(ベルギー、スイス)や国連、地域ガバナンス機関との協働により、チリ国内の研究機関を国際的なネットワークと結びつけてきた。
博士課程・修士課程の学生を多数指導し、古陸水学、有害藻類ブルーム、流域管理、気候変動による生物地球化学的影響などをテーマに教育を展開。大学院教育におけるリーダーシップを通じて、地球環境変動と淡水資源の持続可能性に取り組む新たな科学者世代を育成している。
チリ政府の支援を受ける研究拠点「CRHIAMセンター(農業と鉱業のための水資源センター)」(ANID/FONDAP/15130015)の主任研究者を務め、またUNESCO/UNITWIN「天然資源管理と環境保全計画」チェアを保持。SDG 6.5.1評価をはじめ、さまざまなプラットフォームを通じて科学と政策の対話にも深く関わってきた。
査読付き論文、書籍章、国際会議発表など150点以上の学術成果を発表。近年の研究テーマには、水質のリモートセンシング、沿岸生態系における水銀分布、湖沼モニタリングにおける機械学習応用などが含まれる。
厳格な科学的姿勢と持続可能性への献身を通じ、ウルティア教授はラテンアメリカをはじめ世界における淡水生態系に関する学術研究と公共政策に大きな影響を与え続けている。