祝!国連記念日「世界湖沼の日」制定
竹本 和彦 ILEC理事長より メッセージ
「世界湖沼の日 ー 私たちの湖を守るためのグローバルな誓い」
公益財団法人国際湖沼環境委員会(ILEC)を代表し、「世界湖沼の日」の国連総会決議採択という歴史的な成果を、心よりお祝い申し上げます。
また、この決議により、1984年に滋賀県で開催された第1回世界湖沼環境会議(第1回世界湖沼会議)にちなみ、8月27日が「世界湖沼の日」として制定されたことを大変嬉しく思います。この偉大な成果を成し遂げる上で主導的な役割を果たされたインドネシア政府のリーダーシップに、深く敬意を表します。
湖沼は、私たちにとって欠かせない淡水資源であり、多様な生物を支える基盤であるとともに、洪水や干ばつのリスクを緩和し、文化的・社会的にも豊かな恩恵をもたらす貴重な自然の宝です。しかし、急速な都市化や工業化、そして気候変動といった課題によって、湖沼は深刻な危機に直面しています。これらの問題に対応するには、国際社会の連携と協力が不可欠です。
「持続可能な湖沼管理」に関するUNEA5.2決議を踏まえ、私たちは湖沼の保全と管理において、統合的かつ分野横断的で協力的なアプローチの重要性を強調いたします。すべてのステークホルダーが一丸となって取り組むことが求められています。
「世界湖沼の日」は、持続可能な湖沼管理への意識を高め、教育を推進し、世界中の関係者が共に力を合わせるための貴重なプラットフォームです。この機会に、科学的知見と地域社会の行動を統合し、国際的なパートナーシップを強化することで、湖沼の未来を守り、持続可能な管理への道を切り開くことができると信じています。私たちは、持続可能な開発目標や国際的な環境協定に基づいた具体的な行動を取るという決意を、改めて確認いたします。
ILECはこれまで、世界湖沼会議を通じて専門家、地域社会、政策決定者を結びつけ、幅広い活動を展開してまいりました。その中で、湖沼の持続可能な管理のための革新的な戦略を進めるとともに、世界中の主要な関係者と協力し、「世界湖沼の日」の実現に向けて尽力してまいりました。私たちは、この「世界湖沼の日」の精神を胸に、持続可能な湖沼管理への取組を一層強化する決意を新たにしてまいります。
「世界湖沼の日」決議案の主な内容
決議案 A/79/L.39 より抜粋・要約
- 8月27日を「世界湖沼の日」(World Lake Day)として制定すること。
- 各国や国際機関が湖沼の重要性を認識し、協働して湖沼及び関連する生態系を持続可能な形で維持・保全・再生すること。
- 「世界湖沼の日」の事務局は国連環境計画(UNEP)が担うこと。
- 必要な経費は各国官民の自発的な拠出によること。
- 国連事務総長は関連国連機関に「世界湖沼の日」の遵守を通知すること。
世界湖沼会議の歩み
※次のリンクから各回世界湖沼会議の詳しい情報がご覧になれます。